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Adobeのコンテンツ認証機能を使ってみた

Adobe がAdobe MAX 2021で発表していたコンテンツ認証機能(Content Credential)を使ってみました。

Adobeのコンテンツ認証機能(Content Credential)はPhotoshop上で設定でき、JPGまたはPNG画像に作者、編集内容、作者のソーシャルのアカウントやウォレットアドレスの情報を埋め込み、作品の信頼を高められるといった内容のものです。
この機能により、NFT作品の信憑性をより高めることができたり、フェークニュースの被害を少なくしたりすることが期待されています。

去年の10月に発表された新しい機能なので、どんな感じかなと思い、実際に最近作ったイラストのJPG画像に情報を埋め込んでみました。
使ってみた感想として、まず設定するのがめちゃくちゃ簡単で使いやすく分かりやすいところがとてもいいと思いました。

まだBeta版とのことで、一部の編集履歴など記録されないものもあるようですが、これからさらに認証機能が進化していったり、正式な画像には認証付いているのが当たり前というのが世の中のスタンダードになっていったりすれば、デジタルアート作品に対しての人々の感覚が変化していきそうですし、インパクトのある画像付きのウェブニュースやウェブ記事のに対しての信頼の判断基準ができていきそうだなと思いました。

Content Authenticity Initiative(コンテンツ認証を定着させる目的のコミュニティ)のケーススタディ記事では、ウェブサイトの信頼やオンライン決済の信頼を高めてくれるSSL機能(サイトURLの横に出てくる鍵マーク)がウェブページ版の認証だとすると、Contents Credentialsは画像版のSSLみたいなものなのだとの説明があり分かりやすかったです。

一方で、例えばなんらかのルートで入手した他人の画像をPhotoshop上で編集してそこに勝手に自分の認証をつけた場合とかはどうなるのかなーとか、まだよく理解できず疑問に思う点もあるのですが、今後いろんな場面で実際に使われるのを見ることができるといいなーと思う素晴らしい機能です。 認証を付ける手順はとても簡単でしたし、Adobeの公式How Toでとても丁寧に説明しているのでそちらを参考にするのが良いと思いますが、以下に私が実際にやってみた流れも載せておきます。
▶︎コンテンツ認証機能(Content Credential)の設定方法
 1
AdobeのアカウントにSNS(Instagram, Twitter, Behance)やウォレット(MetaMask)のアカウントを連携させる。
※AdobeのアカウントはCreative Cloudの右上のプロフィールの部分から飛べます。

 2
Photoshopを開く。
環境設定(Preference)> テクノロジープレビュー > コンテンツ認証情報を有効にする(ベータ版)にチェックを入れて [OK] をクリック。

 3
いったんPhotoshopを再起動。

 4
再びPhotoshopを開いて、認証をつけたい画像を開く。
コンテンツ認証情報を設定するには、ウインドウ > Contents Credentials (Beta)をクリック。その画像に対してどの情報を含むかを選択できる。

 5
コンテンツ認証情報のプレビューをする。
右のツールバーに出ているコンテンツ認証情報のアイコンをクリックして、Previewをクリック。(※ツールバーにアイコンが出ていない場合はウィンドウ > Contents Credentials (Beta)をクリックして表示させる。)
◆ Produced by : 作者名(Adobeのアカウントで設定できる)

◆ Produced with : その作品を編集したアプリケーション(Photoshopなど)

◆ Edits and activity : その作品に対して作者がとった行動と編集の履歴(画像をPhotoshopにインポートした、画像の切り抜きをした、色を調整したなど)

◆ Signed by : その作品の認証を宣言する組織(この場合Adobe)

◆ Produced with : その作品を編集したアプリケーション(Photoshopなど)

 6
保存する。
書き出し > 書き出し型式 > (※右下のContent Credentials(Beta) のボタンをオンにしたのを確認して) 書き出しをクリック
いまのところJPGとPNGのみ対応しているようです 。(2022年1月16日時点)


▶︎コンテンツ認証機能(Content Credential)の活用
 1
コンテンツ認証がされている画像はVerifyというWebページで認証情報を確認できます。Verify のページに行き、画像をドロップします。
すると以下の画像のように情報が確認できます。

contentcredential_01
 2
コンテンツ認証付きの画像をNFTとして販売する場合、どこのNFTプラットフォームでも認証の証明に対応している訳ではないようです。Adobeのコンテンツ認証と提携しているのは今のところOpenSea、SupreRare、Rarible、KnownOriginです(2022年1月16日時点)。 OpenSeaに認証付き画像をミントしてみたところ、このような表記で認証情報を確認することができました。

contentcredential_02
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